この日がピピ島での実質的な最終日でR。
明日がチェックアウトだが、早朝のフェリーでプーケットに戻るため朝練も出来ないので今日が最後のチャンス。 また朝練に向かう。 まだ日の出前だが、いそいそと現場へ。 いつもの磯場に立つ。この磯に朝夕に通うこと数回、ここで出る、と決めて粘ることにした。 開始後、数分は何も起こらず。 少し横に移動してキャスト。手前10mくらいまでルアーをリトリーブしてきた所で突然に ギラっと銀鱗が閃く。 と次の瞬間にガツン!!!ジジジ~~~~~ ドラグが鳴る。 きたーーっ!!今度こそ~~~~ 3日前の夕練の時のように、イッキにファーストランで魚は走っていく。 最初の走りで30mほど走り、一瞬だけ息をついたがすぐにラン再開。 何処まで走るんだ。はやく走りを停めてこちらに主導権を・・・と思ってたらまたしてもテンションが無くなりバラシ。 あ~~またやっちゃった。今度はラインブレイクではなくフックアウトでした。 ずっとテンションは掛かってた筈なので、身切れしたかな。 バイトの瞬間の様子からサイズは40cmを少し超えるくらいかな。やや細長く見えたがバラクーダだったら最初に首を振る筈なのできっとトレバリーだろう(ギンガメか・・・・?) 気を取り直してすぐに次のキャスト。 ひょっとして群れで来ていれば、、、の願いも虚しくその後はノーバイト。 単独の魚だったのかな。 これで2連敗だなぁ(^^;; 3/5 昼 この日もコープ船長のボートに乗る。 最初はスノーケリング。そして次は釣りだ。 3日前と同じく、モスキート島とバンブー島近くのエリア。漁船もいるし、どうやらこの海域が魚が濃いのかな?? 風上からボートはナチュラルドリフト。 とりあえず四方八方へキャストする。移動直後が大抵反応があり、ダツだけは相変わらず毎回何かしらの挨拶をくれるが(苦笑) しばらくキャストして反応が無くなると、小移動を繰り返す。 それをしばらく続けているとドン!と少し重目のバイト。 グングンと首を振るのが感じられる。バラクーダだ。 ボート際に寄ってから、けっこう何度も底に向かって走ってファイトを続けるバラクーダだが、主導権はこちら。何度かの走りをいなしつつ、力尽きた頃を見計らって抜き上げた。 バラクーダの50~60cmくらいかな。 船長に 「欲しい?」 と聞くと嬉しそうに頷くので進呈することにした。 どうやって食べるの?と聞くとコープ船長いわく「バーベキュー」 バラクーダは格好のBBQ食材らしい。 その後、バラクーダが反応が良く何度かバラちゃんが反応してくる。バラクーダがヒットする度にコープ船長は「バ~~ベキュウゥゥ~~~」と叫ぶ(笑) 彼らも、観光客を普通にアイランドホッピングやシュノーケルに案内しているよりも、釣り人を案内している方が楽しいらしい。 そして、何度目かの小移動の第一投目であった。 いつものようにリップスライドをキャスト。 着水直後にすぐに2度3度とジャーク。すると、ルアーのある水面でドバッと割れた。 すぐ横から驚いたようにダツがジャンプして逃げのが見えた、、、、と、次の瞬間に ドスーーン!! 重々しい衝撃がロッドを通じて伝わる。 反射的にアワセを入れる。シイラロッドがバットから曲がる、、、を、を、を、ちょっとデカイかも。 ドラグがジジジジ・・・と鳴くがなんとか持ちこたえた。 ただならぬ気配を感じたコープ船長、ビッグフィッシュ!と叫ぶ。 確かに今まで掛けた中では一番デカイ。魚種は不明だが、これは絶対に獲ってやる~~~!! リールを巻く、ドラグが出る。そしてまた巻く。魚との攻防が続く。ロッドはバットから曲がる。 魚は右へ右へと走り、船尾方向へ・・・・それ以上走るとポジション的にこちらが厳しくなる。 なんとか堪えていると、魚の方が観念してまた左へ左へと走って、楽になり主導権が握れた。 この重みとトルクは、、、、ひょっとしてトレバリーか??カスミアジか?ギンガメか? バウデッキに立ち、必死にファイトしつつ決して緩めることなく距離をジリジリと詰めて行く。 国内のGT船のようなフォローは期待できないので、釣り人側で魚を何とかコントロールする。 (まぁフォローが必要なサイズでもないのですがネ) 息詰まる?何分間?(多分、1~2分だと思うがファイト中は時間感覚がブッ飛んでいるので)のファイトの後、ようやく魚の姿が青く透明なコバルトブルーの海の中に視認できた。 あの背の高いシルエットは、、、、、念願のトレバリーだ!!しかもロウニンアジだ!!小さいけどGTだ!! もう魚に余力はない。船縁まで寄せて、コープ船長が慎重にハンドランディングしてくれた。 やっと出てくれた~~嬉しい~~~~ せめてカスミアジでも、と思って投げ続けていたが、まさか土壇場近くになってロウニンアジが出るとは。 サイズはGTと呼ぶには、とてもじゃないがおこがましい(笑)巨メッキサイズではあるが念願のトレバリー、しかもロウニンなので嬉しさ百倍でR! サイズは58cm、5LB(約2.5kg) そんなに自慢出来るサイズでもなく、南洋なら当たり前ジャン、というサイズなのだが、ピピ島に来てず~っと狙っていた魚がやっと釣れてくれた事に感謝である。 思い起こせば前日の夕方、ピピ島に8年も滞在中の日本人ダイビングガイドのTさん曰く 「トレバリーなどは、潮さえ良ければ釣れるし、この周辺に何処にでも居ます。目の前の海でカジキだって釣れます。でも潮が悪いと居ても食わないですからねえ」 と言っていた。 そう、トレバリーなどの回遊魚の釣りは潮に大きく左右される。潮が悪いと、ホント食わないんだよな。 これは日本でもタイでも何処でも同じ。 今回のピピ島への旅行の日程は現地のタイドグラフまでは考えずに決めたので、たまたま最も潮の悪い小潮(半月)~長潮の期間にズッポシはまってしまっていた。 とは言え、小潮でも何かしらチャンスはある筈だ、と言い聞かせて時間があればキャストを繰り返した。 その結果、何とか小さいながらも1匹のロウニンを釣ることが出来たのだ。 そう、トレバリーの釣りは辛く厳しいのである。 途方もなく魚影の濃い場所はともかく、潮が良い時でもチャンスはあまり多くない。 沖縄のGTフィッシングでもそう、タイドグラフを見て、最も良い時期に釣行しても1日にワンチャンスあるかないか。 その貴重なチャンスを物にして、壮絶なるファイトの末に釣り上げた感激は何物にも替えがたいアングラーだけが得られる至宝の感動、記憶、メモリアルなのである。 まぁ今回の魚はそんなに大げさに言う程のサイズではないのだが、苦労した結果の1匹であることには変わりない。これぞ釣りの醍醐味。まさしくどっかのCMコピーじゃないけどプライスレスなんです。 余韻に浸るのも短時間。 頭の中で別の私が呟く。 「ジアイだ、まさしくジアイだ、今がチャンスだ!キープキャストだ!!」 タックルを手に持ち再びデッキに立つ。ラインをチェックし再びキャスト。 するとすぐにバラクーダがヒットしてくる。やはりジアイか?? その数分後、ボート際まで2匹の魚がチェイス!そしてそのうちに1匹がヒット!! ヒット直後に右に左に走り回る、、、、と、ここで間合いの短さ故にフックアウト~~残念。 船長いわくセイムフィッシュ(さっきと同じ魚) 先程より一回り小さかったけどロウニンだったようだ。 次のキャストでも船縁までバラクーダがチェイスしてヒット!しかしこれはバイトまで丸見えだったので、ちょっと雑に扱ってしまってバラシ・・・・ コープ船長の「oh~~BBQ・・・・」と残念そうな叫びが・・・笑 折角のBBQネタを逃がしてゴメン、船長(^^;;; 次の小移動の直後に、またしても大きなバイト。 ヒットした次の瞬間に首を振ったのでバラクーダだと予測できた。 ただし、コイツは凄かった。首を振って外せないと判るやいなや、ドシーーンと走り出しドラグがジジジ~~~~と鳴り響く。 先程のロウニンの走りよりも凄い。まったく停まる気配なく、珊瑚にジジジと擦れてる感触まで伝わってきて、これはヤバい~~~なんとか浮かせねば。しかしこの走りが停まらないことにはどうにもナラン。。。 結局、主導権を一度も握れずにフックアウト。リーダーはザラザラ。よくぞ切れなかったなぁ。 (初日のダツ攻撃の教訓で、リーダーを持参した最大の40LBにしておいたのが良かった) そして数分後、キャスト直後にヒット。 あ、これはダツだな。水面でダツが二度三度と跳ねる。まぁダツでもBBQネタになるから船長も喜ぶだろうと思って寄せにかかると・・・あれれ、掛かったダツが妙な動きを・・・ 普通ダツは右に左にジャンプしながら抵抗するのだが、このダツは口にルアーをつけたまま一目散にボート目掛けて水面上を疾走してくるではないか。 すると、ダツのすぐ後ろの水面がガバッと割れる。何かに追われてるのだ!!ダツは逃げてるのだ!! よし、こうなったら食え、食え!と念じる。 ダツの後ろに巨大な影が迫る。右に左に必死になって逃げるダツ、それを追う巨大な影。 船長もすぐに気づいた!! 「シャーク、シャーーク!!ウヒャヒャヒャ~~WOWOWOW~~」と大喜び。 茶色の1.5~2mくらいのサメ??が私の掛けたダツを目の前で追い回しているのだ。 ひえ~~こんな浅いとこでサメかよ(笑) ボートの数m手前まで追ってきてサメはボートの影に気づいた、と次の瞬間に踵を返すようにダッシュして逃げて行った・・・・・ 追われたダツはその後、ルアーを自力で外してサメからも人間からも逃れたのでした。 いやーーなかなか凄いシーンに出くわした。あのままダツにサメが食いついたらきっとあのタックルでは上がらず、怪力の前にラインブレイクだったろう。 貴重なリップスライドを無くすとこだったので、食われなくてよかったかも。 #でもちょっとシャークファイトしてみたかったのも本音。 そんなこんなでまさしくジアイで、この30分間ぐらいだけは魚は高活性であったがサメが消えると同時にジアイも終了、ダツすら反応しなくなり、釣りは終えてシュノーケルを少し楽しんで帰りました。 3/5 夕方 昼間の余韻醒めやらぬうちに、奥様に頼み込んで夕方2時間、釣り専門でコープ船長のボートをチャーター。 昼間と同じ海域で釣りを行います。 昼間にあれだけの活性なら、きっと夕方ならもっと凄いのでは、と思い、今まで海に出てなかった16時から2時間のチャーターです。 すぐにバラクーダやダツはヒット。リップスライドはどんどんボロボロに、、、歯の鋭い魚相手なので光沢も無くなってきました。 バイトのたびにリーダーに傷が付くのでチェックして結び直す。 これをやっていればとりあえず最初のようなラインブレイクは無くなってきました。 夕方なのでトレバリーの活性も上がるか?と思ったけど、結局トレバリーからの便りはなく、バラクーダとダツを何匹か釣って終了~~ 近くに同じくロングテールボートからルアーキャスティングをしてる2人組あり。 こんな釣りをするのは日本人に違いない。近寄ったら声かけてみようかとも思ったけど、300m以内に近づくことはなく、終了。 最後になり、これまでのお礼とチャーター代と、心ばかりのチップを渡してコープ船長と最後の挨拶。 またピピに来るよ、またYOUのボートに乗せてね、と言って別れました。 ボートを降りると、近くに居る現地ローカルの人たちが盛んに何か言ってくる。 タイ語と英語が混じってて何言ってるかワカラン。 きっと俺のボートに乗らないか?と勧誘してるだけだと思って適当に笑って受け流したが、なんかちょっと言ってるのが違う?? 奥さんが気づいた「何が釣れたのか聞いてるんじゃない??」 さすがに私よりも語学力センスのある奥さんのカンは当たっていて、やっぱり釣果を聞いているのでした。 そこで「バラクーダ、トゥー(2)!バトゥ(ダツ・オキザヨリの現地名)、スリー(3)!」 と答えて、腕でサイズを示したら、納得してくれた。 (ピピ島では魚のサイズは伸ばした片手の先からココまでと指で指して表す。日本みたいに両掌でサイズを示すのとは違うのだ) もう一人別のローカルが近くまで小走りに寄ってきて何やら早口で話しかけてくるが、やっぱり何言ってるのやら判らない。 すると、昨日の夕方に出会ったTさんが近くに居るのに気づいた。 Tさんに歩み寄ると、そのローカル現地人も「T~~」と叫ぶ。 Tさんがやってきて通訳してくれると、彼(ローカルの人)が言うには 「あなたの持ってる日本製の疑似餌(ルアー)を1個分けてくれないか」 だってさ(苦笑) うう~~ん、確かに何個か持ってきてはいるが、荷物を減らすために厳選して持ってきているしなあ。 これが世話になったコープ船長が欲しい、というなら餞別として喜んであげるけど、その人には何も世話になっとらんし(笑) まぁこれがタイ人特有の人懐っこさの裏返しとも言える。 Tさんを通じて 「今はあまり持ってないので、ホテルに戻ってあげれる物が見つかったらまた来るよ」と伝えてくれと頼んだ。Tさんが伝えて、それで納得したのかローカル人は引き揚げた。 あまりシツコクないのもタイ人の良い所である。 Tさんに 「お蔭さまで今日、なんとか1匹、小さいけどロウニンアジが釣れましたよ~~」 と言うと 「知ってますよ。釣った魚は食べないんですね?」 と聞かれた。どうやらコープ船長に昼間釣れた魚は全てプレゼントしたのだが、それを仲間に言いふらしたらしい。 だから、改めて夕方に出漁に出掛けたので、帰ってくるやいなや、いろんなローカルの人たちが話しかけて来たのはそのせいか? ローカルの人たちは、シージプシーと呼ばれてて(集落の入り口にもシージプシー・ビレッジと看板あるし)元々は漁を生業として暮らしていた人達だが、すぐ近くにリゾートが出来ると観光客相手の仕事をして現金を稼ぐようになったらしいが、やはり脈々と流れる漁師魂は健在のようで釣りには興味シンシンらしい。 昼間の釣果が知れ渡って、ローカルの人達の間ではヒーロー扱いだったらしい(苦笑) そんなこんなで、楽しかったピピ島の釣りも終わりました。 陸ッパリあり、オフショアあり、いろんな魚が釣れ、そして釣り好きなローカルの人達も居て、面白い時間が過ごせました。 タイ南部の海洋リゾートに行かれる人が居ましたら(プーケットでもクラビでもサムイでも)ぜひ釣りをしてみる事をオススメします。 各リゾートホテルやツアーデスクでトローリングや、船釣りのツアーが組まれてます。 ただしこれらは観光客向けの内容なので、このブログにあえて見に来てる人にはツマラナイでしょう。 グループで釣り専門でプーケットに行くなら、アンダマン海に浮かぶ魚影豊かなシミラン諸島(ダイビングで有名)まで行くと巨大なGT、イソマグロ、バラクーダも釣れますので、ボートをチャーターして船中泊で行くのがよろしいかと。 そうでなくても、リゾート周辺を自分の足で陸ッパリしたり、ロングテールボートをチャーターして自分の好みの釣りをしてみると、きっと幸福なリゾートライフが送れることウケアイです。 それでは、最後に。 祈るように両手を胸の前に合わせて~~ コップンカップ(どうもありがとう) タイでの釣行記はこれでお終いです。 旅行記はまだ続きます。
by sierra-outdoor
| 2009-04-09 22:29
| 海の釣り
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Comments(5)
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Churin
at 2009-04-11 22:57
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最終日の釣りは楽しそうですね~。
私も行ってみたいな。(^^)
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しえら
at 2009-04-12 09:13
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ぜひ、行ってみて下さい>Churinさん
格安航空券をゲットできれば、東南アジアは工夫次第で随分お安く行けますので。 比較的安価で、1隻の船をチャーター出来るのも魅力です。 釣りだけでなく、シュノーケルやアイランドヒッピングなどの海の遊びとのコンビネーションも自由ですし。
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バルボア
at 2013-01-24 03:33
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こんにちわ(^ ^)
GTすごいっす! 今度ピピに行くのですが、イカ釣りをしたいと思っております。そこで、シエラさんが朝練、夕練をしていたのは、ピピのどこの岩場になるのでしょうか?ぜひ、教えてください!!
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しえら
at 2013-02-01 00:34
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はじめまして、バルボアさん
コメントに気付くのが遅れてスミマセン。 で、ピピ島ですが、イカならピピ島の磯場に行けば、大抵何処にでも居ると思います(釣りが可能であれば、船着場でも) グーグルマップのリンクを期間限定(今日から1週間限定)で、この本文の最後につけておきますので確認して下さい。 ※1週間後には消しますので、それまでに見て下さい。
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しえら
at 2013-02-14 22:38
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ピピのマップは見て頂けたでしょうか?>バルボアさん
とりあえず約束の1週間を過ぎたので、マップのリンクは消しましたが、ご希望があれば、また再掲しますので、その場合はコメント下さい。
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