6/19~6/22 2009沖縄遠征(中編)
[前編の続き]

小移動を繰り返し、また先程、バラシた場所と良く似たポイントに差しかかった。
陽は西にやや傾きつつある。
ツグミ船長が「そろそろデンジャラスゾーンに来たよぉ~」と叫ぶ。
ミヨシでKスケ君が投げている、その隣で投げていた。
TAKEさんから投げる方向の指示が飛ぶ。指示が飛んだ方向へ、二人してキャスト。
すると、Kスケ君、キャスト切れ~~~~ あえなくプラグだけが慶良間の海へ飛んでいく。
既に船が核心ポイントに入っていることと、太陽が傾いてやや暗くなり逆光で海面に落ちた筈のプラグが見えない。。。。残念、回収は無理か。
そのままTAKEさんから指示された方向に投げて、アクションをつけてくる。
この時、得体の知れないナニかゾワゾワした物を感じていた。これは何だ?異様な恐怖感にも似たプレッシャーが感じられる。
目の前には根に潮がぶつかり盛り上がる潮波ゾーン。
GTが出るなら、ここだ。ココこしかない。うう~~~なんかGTが出そう~~でも怖い~~
なんて思っていたら・・・

ドッバーーーン!!と畳2畳分くらいの面積の水面が炸裂して、GTが半身を水面上に飛び出させながらアターーック!!
しかしまだ食ってない。すかさず誘いのトゥイッチをすると、二度目のバイト。
ドバッとプラグの周辺の水面が沸き立ち、荒々しく泡がかき乱れる、、、、が、ロッドには何も伝わってこないままGTは去ってしまった。
あちゃーーー、今度は食わなかったか。派手に出てくれたんだがなぁ。
ちょっとバイトの直前に弱気になったのを見透かされたような、、、、しかし、バイト直前のあの異様な感覚は何だったのだろう。GTがプラグに襲いかかる前のプレッシャーかオーラだったのだろうか。

しかーし、これで決定的な2回のチャンスを逃してしまった(^^;;;
国内GTの場合、そうそうチャンスがある訳でもなく、大概は1日に1チャンス、良くて2チャンスあるかないか。
もちろんそのチャンスとはバイトが得られるかどうか、という程度で、バイトがあってもフッキングしてファイトまで持ち込める保証はない。元々トップの釣りなのでフッキング率はあまり高くなく、2度目のバイトのように、どんなに派手に出ても食い込まない事も多いし。
そもそも、あのクソ重いGTプラグを1日中投げ倒しても、ノーバイトだったなんて日もそんなに珍しくはない、それが国内GTの厳しさである。

2回もミスったので、もうこの日は終わったかな、、、、と半ば諦めていた。
太陽は西に傾き、船は最後のポイント、通称「ブレイクポイント」に移動。
平均水深30~40mの場所に盛り上がるように水深20mまで根が盛り上がっている場所だ。
根ズレが激しくGTがヒットしてもラインブレイクが多いためブレイクポイントと呼ばれている。

まぁ、釣れるとは思ってないが、この日のラストチャンスなので一応投げてみよう、という軽い気持ちで、それまでメインで投げていたペンシル系のマギーガーラから、アンティアス(ポッパー)に何となく替えてみた。
このアンティアスは7年前の私のファーストGT(かつGT自己記録)を獲ったプラグで思い入れの深いプラグである。
ただ、ここ数年の傾向としてポッパー系はバイトの減少?によりあまり出番がなく、入手困難なGT-ガンマに代表されるリアルベイト風ペンシル系プラグが多用される国内GT事情もあって、私自身もアンティアスの使用頻度が減っていた。
しかし、この日は殆どポッパーを投げていなかったので最後くらい投げてみようか、という単なる思いつきでアンティアスを選択。

そのアンティアスをキャストし、ロングストローク・ポッピングを繰り返す。
最初に釣った時も夕方近くだったよなぁ、、、とあの時のイメージを思い出すかのように投げ続けていると・・・・・

何投目であったろうか・・・・(多分、ポイントに入って数投目)
アンティアスが泡を引きずりながら水面下にダイブし、ストップと同時に泡と共にゴボッと浮かび上がった次の瞬間、時が停まった。


ドッバーーーーン!! 
夕日を浴びた水面が炸裂!!!


と同時に黒っぽい巨体がもんどりうって水面上を走る。
そして私の目の前30mくらいの場所を右から左へと横切って、深みへと消えていく・・・

背後からツグミ船長の「出たァ!!!」の叫び声。

無意識にラインテンションを取ってロッドティップから「ガツガツ」と手応えを感じ取ると間髪入れずにフッキング!!

ガツン!!、ギュギュギュギュ、ズドーーーン。

ラインが真っ直ぐ下へと突き刺さる。来たっ!!乗った!!カーペンターSP79Mが弧を描く。
魚はまっすぐ船の下へ・・・・・さらに船の後ろ方向へと走る。
すぐにTAKEさんとデッキハンドのHさんが駆けつけてくる。
「ギンバルに入れろ!!」TAKEさんの指示が飛ぶが、すでに魚が真下よりやや後ろにまで走っていて位置的にギンバルファイトに入れない。
Hさんがツグミ船長に「フォロー、フォロー」と声をかける。
すぐに船長はエンジン始動、船をゆっくり後退させ、ファイトしやすいポジションへと持って行ってくれる。
これで少し楽になってギンバルに入れる事が出来た。
しかし、魚は相変わらずの馬鹿力と凄まじいトルクで底へと走ろうとする。
ドラグは9kgにセッティングしてあるので、あまりドラグは出ないが、耐える人間の方がキツい。
TAKEさんから矢継ぎ早に指示が出る。
「GTが走ったら耐えろ。停まったら巻け!」
「下を見るんじゃない、ロッドティップを見ろ」
「もっと背を反らせて!!腰を落としてロッドを曲げて魚にプレッシャーをかけるんだ」

GTの猛烈かつ暴力的な突進に耐えるだけで精一杯で、なかなか指示通りの行動が出来ないが、次第に判ってきた。
背を反らせて腰を落として、ギンバルでのファイト態勢を維持してると、魚の動きが止まり、ロッドがゆっくりと魚をリフトしてくれる。
ティップを見ているとそれが判ってきた。最初は目線にあったティップがジワッジワッと上へ上がっていく。
ある程度上がったら巻きながらティップを下げる。そして再び背を反らせてプレッシャーをかけるとゆっくりではあるがロッドがリフトしてくれる。
後ろでギンバルのベルトの緩みを直してくれていたM田さんも「イける、イける。頑張れ~」と声をかけてくれる。

水面下にギラっと銀鱗が見える。よーし、浮いてきたぞ。
TAKEさんが「今だ、勝負に出ろ!!イッキに巻き上げろ!!」と叫ぶが、ここまでのファイトで体中が疲労がたまっていて、なかなか左手が言うことを聞いてくれず、ハンドルを半回転か1回転づつしか巻けない。
なんとかリーダーが見える所まで・・・・・・

もう少しもう少し・・・・・・・

ヨシッ!リーダーが手に届いた。
デッキハンドのHさんがリーダーを手に持ってツグミ船長が差し出す巨大なネットにGTを誘導して、入ったぁぁぁ~~~やったぁぁぁ~~~~

周囲の人達とがっちり握手。
この瞬間がたまらない。これがGTフィッシングの醍醐味。
一人のアングラーの釣りというよりも、ヒットしてからは船全体で役割分担が機能して一致団結して1匹のGTを獲りに行くチームワークの結果でもある。
そしてネットに入った瞬間の歓喜の輪。
例えて言えば高校野球に出場して勝利でゲームセットを迎えた瞬間に似てるカモ。

すぐに海水ポンプが動き出し、ランディングしたGTの体力が落ちないよう、エラに新鮮な海水を送り続ける。
それと同時にウェイト計測。
「28kg!」ツグミ船長の声。
私自身としては35kgぐらいかな、、、と思っていたが、28kgでもあれだけのファイトを強いられるのか、と改めてGTと言う魚の凄さを思い知らされた。
7年前のファーストGTはこれよりデカかったのだが、よくぞまぁあの時は釣れたなぁと今更ながら思うのでした(あの時は釣ったというより、釣らせてもらった、というのが本当なのだが)
f0100885_92754100.jpg

後で船長やTAKEさんの話しを聞くと、この魚は本来なら30オーバーの体格なのだが、きっと産卵直後のメスなのだろうと(お腹がペッタンコだった)
産卵前なら32~33kgあっただろうね、という見解でした。

恒例の記念撮影だが、GTの皮膚を傷つけないように、抱っこする人は全身を海水で濡らします。
そして抱っこ撮影なのだが、人間の方もファイトで体力を消耗してるので、なかなか抱き抱えられないんだな(苦笑)
なんとか抱き抱えて記念撮影完了。

グエッグエッとGTが鳴く。よしよしすぐに海に帰してやるからな。
GTを釣った者として、最後の仕事だ。
船縁までGTを抱えて、リリース。
ありがとう~~~バイバイ~~また来てねぇ。
こうしてGTは無事に慶良間の海に帰って行きました。

この日、最後の最後に訪れた幸運。
本来なら最初のチャンスでバラした時点で、終わってた筈だったのですが、釣りの神様は見捨ててはいなかった。
最後まで諦めずに投げ続けることが肝心であることを、改めて感じた長い一日はこうして終わりを告げたのでした。


それでは、ヒットからランディングまでを画像にてお伝えします。
(撮影協力:Kスケ君、TAKEさん、M田さん)
f0100885_9292980.jpg

ヒット直後、隣でマルボTシャツがイケてるTAKEさんから指示が飛びます。
一番右端でデッキハンドのHさんがフォローの方向を船長に指示。


f0100885_9305479.jpg

渾身の力を込めてリフト中。
これでも本人は思いっきり背を反らせてるつもりですが、まだまだ足りないですね~~
ヘナチョコファイトですね~~(苦笑)


f0100885_9323727.jpg

いよいよ浮いてきたぁ~~~この時はドキドキもんです。
(まぁ実際は疲労困憊なんですけど)


f0100885_9334353.jpg

ランディングの瞬間。
Hさんがリーダーを持って、右側のツグミ船長の差し出すネットに入れる瞬間。
こうやってリーダーを手で誘導してランディングします。
(竿で誘導するより確実なので)


f0100885_9352979.jpg

船の上に上げた瞬間。
早くも蘇生のための海水ポンプは回って、エラへ新鮮な海水を注いで、GTの体力を維持します。
全ては元気な状態でリリースするためです。


f0100885_9371150.jpg

記念撮影の前準備。
28kgくらいなら、腰掛けずに撮影できるといいんですが、このときは疲労が溜まってて・・・・
後で、持ち上げ抱っこで撮影しましたが。
抱っこする前は、全身を海水でタップリ濡らします。服の生地がGTの皮膚のヌメリを剥がしてしまうのを防ぐために。(トラウトをハンドリングする時に水に漬けるのと同じ)


f0100885_9393420.jpg

さぁリリースです。ちょっとヘバっていて力が入っていますが(苦笑)
この後、GTは元気に泳いで慶良間の海に帰っていきました~~~

いかがでしたでしょうか?
GTフィッシングのヒット直後からリリースまでの様子は判ったかと思います。
このようにGTフィッシングは掛けた後は船全体のチームワークなのです。
中には、一人でやってしまう(フォロー無し、またはフォロー操船までも自分で)エキスパートな人もいらっしゃいますが、基本はこのように団体戦なんですね。
[PR]
by sierra-outdoor | 2009-06-27 09:43 | 海の釣り | Trackback | Comments(8)
トラックバックURL : http://sierra21.exblog.jp/tb/11398664
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by Churin at 2009-06-28 22:40 x
こんばんわ。
ファイトの様子が良く判りました。

うーん、やっぱり凄いなあ。
釣った経験が無いので想像するしかありませんが、釣りと言うより格闘技みたいですね。
抱っこするときに全身ずぶ濡れになるとは知りませんでした。
Commented by しえら at 2009-06-28 23:18 x
そうですね、この釣りは魚との格闘技です>Churinさん
アングラーと魚とのガチンコ勝負なんですね。だから、周囲の人もサポートはするけど、原則竿およびリールには手を触れない。
とは言え、コッチは船で動けるし、年々タックルは進歩していくので人間有利なのは否めませんが、それでも相当キツい釣りには違いありません。
スタンディングかつハーネス無しで、時には60kg以上と闘うので(まぁそんなサイズは滅多に掛かりませんが、40kgクラスは割と遭遇するかな)すんごく大変ですけど、釣った時の感動は何物にも替え難いですね。

抱っこの時にズブ濡れにするのはトラウトのハンドリングの時に手を濡らすのと同じ理屈です。この釣りはリリース前提の釣りなのでね(^^)
全身を海水で浴びるのを我々は「儀式」と言ってます(笑)
Commented by つりらー at 2009-06-29 20:02 x
こんばんは
昨日はスレ違いで失礼しました^_^;
臨場感のあるレポートですね。
自分も現場にいるような気分になってきます。
これは確かに釣りと言うより格闘技に近いですね。
本当に見事なGTですね。おめでとうございます(^^)

Commented by いりけん at 2009-06-29 21:22 x
 沖縄にGTツアーですか!さすがシエラさんしっかり釣り上げおめでとうございます。
私は先日伊良湖沖で初シイラでメーターオーバー
まだキャスティングのタックルを持っていないのでトップウォーターゲームは出来ずジグでのファイトでしたが・・・
海のトップウォーターゲームはすごいですね、一発ではまれます(苦笑)
バスボ乗りに琵琶湖へ!と思うのですが海へ海へと足が向いてしまうこのごろ(汗)いろんな魚との出会いは楽しいですね(笑)
Commented by しえら at 2009-06-29 22:30 x
昨日はいろいろアドバイスありがとうございました>つりらーさん
まったく釣れませんでしたが、なんとなく少し攻略方法が判ったような気がします。
とりあえず朝から行かないとダメですね(笑)

画像を沢山並べたので、現場の様子や雰囲気は判りましたでしょうかね?
いろいろ写真を撮ってくれた仲間に感謝です。ハイ。
Commented by しえら at 2009-06-29 22:33 x
海のキャスティングゲームも楽しいですよね>いりけんさん
シイラなんか、特にビジュアルな釣りなので、インパクト大きいですし。
キャスティングとジギングと両方に向いてるスピニングロッドを1本持っておくと、何かと便利ですよ~~
(私などは、キャスティング用として売ってるロッドをジギングに使ってるくらいです)
Commented by 手下 at 2009-06-30 23:34 x
臨場感ありますねー
GTって何人かでわいわい釣りできて楽しいですし、人が釣ったGTでもなんか自分の釣ったみたいにうれしくなりますよ。


Commented by しえら at 2009-07-01 20:17 x
GTフィッシングの、あの連帯感は一種独特ですよね>手下さん
釣りあげた瞬間のあの高揚感、あの場に居る者だけが共有できる感覚ですよね~~
<< 6/19~6/22 2009沖... 6/19~6/22 2009沖... >>



釣り、キャンプ、自転車、スキー、シュノーケルなどが中心です
by sierra-outdoor
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
最新のコメント
リンク
最新のトラックバック
ナマズ
from 動物辞典
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


Skin by Excite ism